2008年 01月 18日
昔々の悲しい御話 最終回
「朝よ~♪ みんな起きて起きて!
早くしないと畑のポテトが逃げちゃうヨ!?
たくさんの卵もピ~ピ~鳴き出しちまうサ!!!
朝~、朝だヨ~~~~~♪♪♪
森に街にと、目覚ましツグミはみんなを起して回ると、大忙しでお城に向いました。
「王様、朝ですよ~♪
森の民も街の民もみ~~~んな起きましたヨォ!
さぁさ、起きて、起きて!!!」
『・・・・・・・やれやれ、毎朝毎朝ご苦労さんだネェ・・・』
連日連夜のお后候補との接待やら歓迎の宴で、少々お疲れのボーノ王は、なかなかお目覚めになりません。
「王様、起きてくださーーーーーい!
朝日があんなに高くなって、どうしましょ、どうしましょ!!!
朝日がまぶしい・・・そうだ!
眩しい、眩しい、まぶしい光はキッカ姫の金髪真珠の肌にバラ色の頬
あの太陽なんて目じゃないサ!」
『?ツグミは一体全体何を言っているんだい???』
「見た、見た、見たヨォ!!!
キッカリン公爵はキッカ姫! キッカリン公爵はキッカ姫!
まぶしい光の金髪と真珠の肌にバラ色の頬!
見たヨォォォォォォォォォォ!!!」
『!』
それを聞いた途端、ボーノ王は跳ね起きました。
「ツグミ、今言った事は本当か? 嘘なら承知をしないよ!?」
「本当、本当、本当もホント! 美しさは世界一◎ 輝くばかりの美しさ◎◎花◎」
「許せないワ!」
「ワ!」って・・・・・あっあれっ?
ボーノ王、胸板厚く雄雄しいお姿、文武両道に長け、かつ繊細にして誠実。
立派な喉ぼとけだってお持ちなのに・・・
そう、かの王・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・心は女だったのです。
「毎日毎日やって来る姫なんて、み~んなおヘチャでおブスで、全然ワタシの比じゃないって安心していたのに!?
どれほどのモノっていうの?
いかほどって言うか、どれだけって言うか、
どんだけーーーーー!!
ワタシよりキレイなんて許せなぁーーーーーーーい×××」
「もうネ、早々に追い返してやるワ!?
帰り道なんて土砂降りの、大嵐の、グッチョングチョンのどろどろになりゃいいのに!!!!!!!!」
げに恐ろしきは、おなごの心を持つ男の嫉妬でございます。
もちろん、キッカ姫は何だかんだワケの分からないまま追い返され、帰りの道中は土砂降りの、大嵐の、グッチョングチョンのどろどろに・・・
ボーノ王の怨念とでも申しましょうか?
この日以来、可愛いおなごがお召かしすると雨が降るのでございます。
いかがでしょう、
貴方がきれいに身支度を整えていると、雨が降りませんかしら?
それはきっと、ボーノ王が貴方の美しさに嫉妬しているからなのですよ。
あらっ ごめんあそばせ、
いっつもとても良いお天気のご婦人方には、全然関係ない御話しでございましたわネ、
オホホホホホホホッ
by buono-club
| 2008-01-18 20:17