昔々の悲しい御話 第2話

さてさて、キッカ姫の旅の珍道中はまたの機会に聞いていただくとして・・・

ボーノ王花嫁選びの報を受け取った各王は、それはそれは綺麗に着飾った姫をお供に、ぞくぞくとボーノ王の待つ大国へ列を成して向っておりました。

その長さたるや一つの王族の隊列が城に入りきるまでに、丸一日かかったほどでございます。

何日も何日も足止めをくらって、やっとキッカ姫扮した返信の使者がボーノ王にお目通りかかれたのは1ヶ月と3日たった朝でした。
マンマ女王の使者 キッカリン公爵のお目通り~~~060.gif

ン? キッカリン公爵ですって???

「ボーノ王にお会いする時には、アナタは髪を短くし男の身なりをなさい。
その美しい顔は旅の間で多分すっかり化粧も剥げ落ち、汚く煤ける事でしょう。
それで結構。そのお顔のまま謁見するのですヨ!
努々、着飾ろうとか少しでも美しく見せ様などと思うではありませんヨ!!!

そう母、マンマ女王からきつく申し渡されておりましたから、キッカ姫、ドロドロのブーツ、ヨレヨレの上着、髪なんぞ泥と汗と雨風でヘルメットかと見紛う見事なフェルト頭!?
もちろん、ハイ、そのままのお姿でボーノ王の待つ大広間へ伺いましたとも。

お目通りを許された大広間は、それはそれは優美で凛とした品格がある調度品で彩られ、誰もが王の審美眼にため息を付くほどでした。

「遠路はるばるよくお越しくださいました。」

突然の声にキッカ姫が我に返ると、声の主は部屋の奥の暗がりからこう続けました。

「マンマ女王の使者、キッカリン公爵。
本日はどのような御用でお見えになったのでしょうかな?」

「これはこれは、初めてお目にかかります、王様。
マンマ女王様のご令嬢キッカ姫に、ご親切な招待状を頂き、ありがとう存じます。
本日は折角のお招きにもかかわらず、かの姫病に臥せっているゆえ、
ご無礼をいたしますことを深くお詫びするようにと言付かって参りました。」

「なんとキッカ姫がご病気ですか、それはマンマ女王様もさぞご心配でございましょう。
なになに、私事でお呼び立てしたまで、ゆっくりご静養くださいとお伝えくだされ。
さあ、御仁も旅の疲れを洗い落とされ、幾日でも滞在くださればよろしい。」

ボーノ王の声はすれども姿は見えないお目通りは、あっという間に、そしてキッカ姫の変装も全く気づかれることもなく、恙無く終了いたしました。
それから客間に案内されますと・・・するとどうでしょう、部屋の真ん中に並並と湯の張られた大きな湯船がございました。
「わぁ~~~、何日振りのお風呂かしら072.gif

あらあら、キッカ姫、女王様からのきつい言いつけもすっかり忘れて、ゴシゴシジャブジャブ、きれいサッパリ汚れを洗い流してしまいました。

スッキリしたのは良いけれど・・・キッカ姫、
その様子を窓辺で見ているお喋りツグミがいましてよ!?
大丈夫かしらぁ???


さあ、この後は最終回! キッカ姫の運命やいかに!?
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by buono-club | 2008-01-15 14:48 | Trackback | Comments(0)

おいしい生活シリーズPart3☆
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